『第二言語における発音習得プロセスの実証的研究』(戸田貴子2006)を読んで

こんにちは!

ペム&ショーコです。

春学期に提出したレポートを紹介します。今日はちょっと堅めですいやせん。

英語学習者にとって、とても希望が持てる研究結果だったので紹介しようと思いました。

レポートといっても形式自由、文字数自由ですので、体裁が悪いのはお許しください。

また、内容も完璧からはほど遠いものですので、悪しからず。いち学部聴講生が書いた雑文です。

出典はこちらです。インターネット上で閲覧できます。

戸田貴子『第二言語における発音習得プロセスの実証的研究』(早稲田大学 大学院日本語教育研究科ホームページ) <http://www.gsjal.jp/toda/dat/kaken02.pdf> (2022年8月3日)

レポート①

 私は言語習得について関心を持ったので、津熊先生が授業コンテンツの中で紹介されていた「第二言語における発音習得プロセスの実証的研究」(戸田貴子2006)を読み、研究内容をまとめ、感想を述べます。

研究の目的
 はしがきで、戸田は『多くの研究者は6歳前後に外国語学習を開始した場合はネイティブレベルの発音習得が可能で、12歳くらいまでは個人差が大きく、思春期を過ぎて学習を開始した場合は母語アクセントが残るという説を支持している。これがいわゆる「臨界期仮説」である』述べ、さらに『言語領域によって異なる臨界期が存在すると いう説もある。第二言語習得に関する先行研究では、母語転移が最も顕著に現れる言語領 域が音声・音韻であることが指摘されており、他領域と比べて年齢要因の影響が大きく、3 歳頃で臨界期を迎えるともいわれているが、実態は定かではない』と問題提起した。そしてこのプロジェクトでは発音習得に関して実証的なデータに基づき、臨界期仮説について検証が行われた。

検証の方法
 検証は『単語、写真、文、文章、スピーチ・自然会話(以下、会話)から成る発音タスク(約10 分)と言語 学習に関する2 種類のアンケート調査(約 20 分)』を用いて、84名の日本語学習者に対して行われた。得られた音声の検証データの評価は、20代〜40代の5人の日本語ネイティブスピーカーによって行われた。評価者は『外国語学習経験および日本語教師経験があり、 かつ音声学的知識を有する評価者を選んだ』。そして5人共海外での滞在経験が一年以上ある。

結果
 外国語学習開始の年齢と発音習得には関連があり、早く学習を開始した方が発音習得には有利に働くという結果となった。一方で、『総合評価の結果7名の学習者が 臨界期を過ぎてから学習を開始したにも関わらず、ネイティブレベルの発音習得を達成していることも明らかになった』。さらに、成人学習者でも学習次第で発音習得を高いレベルで達し得ることがわかった。この7名は外国語学習において特別な才能を持った例外的な存在ではないと考えられる。フォローアップ・インタビューの結果、この7名について以下の特徴が明かになった。

1)音声的側面に焦点を当て、メタ言語として日本語音韻を学習していること

2)発 音に対する意識化がなされていること
3)豊富なリソース(例:テレビ、ラジオ、ドラマ)を活用 していること
4)音声化した発音学習方法(例:シャドーイング、音読)を実践し、継続している
5)学習初期にインプット洪水を経験していること
6)音声に関心があり、自ら高い到達目 標を設定していること  (戸田2006

 これら学習者はインプットの量や質・発音学習にし対する意識や学習方法の工夫を継続的に行っており、語学の天才といった例外ではなく、学習に対する積極性やその実践によって支えられ学習に成功した『達人』と呼ぶことができるとわかった。さらに、母語の音韻が原因で外国語の発音習得に良くも悪くも影響が出るという説があるとしながらも、この調査では、上記に挙げた発音学習に対する意識や学習方法、質や量によって、母語の音韻の転嫁の影響を凌駕し得るのではないかと述べている。

感想
 言語学習は早い年齢で始めた方が、発音習得の面で有利になるという結論が出ましたが、その一方で成人学習者でも学習の質と量、意識によってはネイティブレベルの発音を習得可能だという結果が出たことにとても驚きました。言語臨界期は存在するのではないかと考えていましたが、今から新たな言語の学習を開始しても、私にもネイティブレベルの発音習得が可能かもしれないと思うと、非常に希望を持って積極的に取り込むことができそうです。さらに、韓国の人の中には、韓国語は母音も子音も日本語より豊富にあるので英語の発音が日本人よりも上手だと言う方がいますが、以前から不思議なことを言うものだと疑問に思っていました。朝鮮語は確かに日本語よりも母音も子音も多くありますが、それがそのまま英語のネイティブレベルの発音に当てはめられる訳ではないと考えるからです。その為、今回の調査で、母語の影響よりも学習の質や量、学習意識などが母語の影響を上回るのではないかという結果には、非常に納得しました。韓国人でも日本人でも学習次第でネイティブレベルの発音習得が可能だとわかったからです。具体的にどのような学習方法が効果的なのかは『「発音の達人」とはどのような学習者か -フォローアップ・インタビューからわかること-』を読み学習に役立てたいです。

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積極的に楽しんで外国語学習に取り組むことが、外国語上達の鍵になるようですね!

取り組み方次第では、大人になってからもネイティブ並みに外国語を習得できる可能性があるなんて!

とても希望が持てます。

ちなみに、私がよくするのシャドウィングという学習方法。

英語のドラマを見ながら俳優さんの真似をしてぶつぶつ。

英語が上達するというよりは、英語のレベルを保つため、日本語から英語にパッと切り替えやすくするためにやっています。

これはもう癖にようなもので、大学生の頃からずっと続けています。

シャドウィングのテキスト本も出てるみたいですね!

どうぞー!

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